大泉ほんだクリニック 泌尿器科・内科

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停留精巣

停留精巣

停留精巣通常陰嚢内に左右二つの精巣があります。

精巣は生まれる前は、お腹の中にあり、そこから下降し、生まれてくるときは陰嚢内に触れる状態になります。この過程で、何らかの原因で精巣が陰嚢内に下降せず、お腹の中や足の付け根(そけい部)に留まったままの状態になったものを停留精巣と呼びます。生後6か月までは自然下降が期待できますが、それ以降は下降せず、その場にとどまるといわれています。親御さんで、気になる場合は一度精巣の状態を把握しておきましょう。精巣を触れる場合、風呂上りや就寝後などリラックスした状態だと触れやすくなります。

停留精巣の問題点を以下に述べます。

  1. 1)妊孕性(にんようせい:子供をつくる能力):手術をしても正常の場合に比べ、片側で70-80%、両側で50%程度とされています。早期の手術治療で妊孕性低下を防ぐという考えかたもあり、専門医と相談するとよいでしょう
  2. 2)悪性腫瘍(精巣腫瘍):停留精巣は通常の陰嚢内精巣に比べて悪性腫瘍(精巣腫瘍)の発生が5倍程度高いとされています。しかし精巣腫瘍はその発生頻度は極めて低いのであまり神経質になる必要はありませんし、手術で陰嚢内に固定されていれば腫瘍の早期発見が容易であり、完治可能です。
  3. 3)精巣捻転:精巣自体が固定されていないので精索(栄養する血管や精管)が捻れる精巣捻転をおこしやすいといわれています。
  4. 4)精巣外傷:鼠径部にある場合、陰嚢内にあるより、外傷を受けやすいといわれています。
  5. 5)陰嚢内容が欠如していることは男性としての能力に関する不安や身体イメージの面からも精神的な引け目を被ることが懸念されます。
治療

触れない場合、精巣を陰嚢内に降ろす手術が必要となります。精巣がどこにあるかで手術方法が異なります。
手術時期は妊孕性(妊娠のし易さ)に関わります。治療は早い方が良く、気づいたらすぐ来院してください。1-2歳前までに治療した方が良いと言われています。

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