大泉ほんだクリニック 泌尿器科・内科

交通案内
☎ 024-563-7587
骨盤臓器脱

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱女性の場合、膀胱、子宮、直腸などの臓器は骨盤の底の靭帯や筋肉(骨盤底筋)で支えられています。出産や加齢の影響などで臓器を支える靭帯や骨盤底筋が弱くなり、体外に子宮や膀胱、直腸などが押し出してくることがあります。出てくる臓器が膀胱であれば膀胱脱、子宮であれば、子宮脱、直腸であれば直腸脱と呼びます。総称として骨盤臓器脱と言われています。

症状:外陰部異物感(何かが下りてくるような感じ)、腰痛、重い感じ、引っ張られる感じ、排尿困難、排便困難、排尿や排便のために指で脱を整復させる必要があるなどがあります。その一方、急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢ができずに頻回にトイレに行ったり、間に合わずに漏れてしまったり(切迫性尿失禁)することもあります。通常寝ている時は脱が引っ込んでいるため、夜間や起床時の排尿はスムーズですが、長時間の立位後や、歩行後、あるいは午後になると症状が強くなります。しばしば入浴中に、ピンポン玉のようなものを陰部に触れることで気づきます。脱出が重度な場合は、尿管が引っ張られて水腎症をきたすこともあります。

検査:問診と内診台での診察を行います。わざと咳をしたり力んだりしていただき、骨盤臓器脱の種類や程度を確認します。排尿状態を確認するために尿流測定やエコーによる残尿測定、膀胱鏡検査などの詳しい検査を行うこともあります。

治療:骨盤内臓器脱はお薬では治りません。

(1)骨盤底筋訓練
軽度の下垂の場合は、骨盤底筋訓練で骨盤底筋群を強くすることで、症状の改善が期待できます。しかし中等度以上の場合は、改善はほとんど得られません。
(2)ペッサリーリング
膣内にペッサリーリングを入れて、骨盤内臓器の脱出を防ぎます。3~6ヵ月毎に外来で交換します。排便時などいきんだ際にペッサリーリングが落下してしまったり、膣内にびらんができてオリモノがふえたり出血したりすることがあり、長期に継続できない場合があります。
(3)手術療法
症状が強い場合は手術が適応になります。  脱出している臓器や程度によって、従来型のメッシュを使用しない手術、経腟メッシュ(TVM)手術、腹腔鏡下仙骨膣(子宮)固定(LSC)術などがあります。

当クリニックでは、骨盤底筋訓練の指導は行っておりますが、リングペッサリーおよび手術療法は行っておりません。必要がある場合は、適切な病院を紹介させてもらいます。

リングペッサリーの使用に難がある方、手術を希望しない方には、クッションにより臓器を下から支える医療機器(フェミクッション)があります。
下記のサイトから購入することができます。
https://urogyne.jp/femicushion/
困ったなと思ったら、恥ずかしがらずに、どうぞ泌尿器科専門医にご相談下さい。

<< 前ページに戻る

ページトップへ戻る