精巣上体炎(副睾丸炎)
精巣の横にある精巣上体(副睾丸)におこる炎症です。「精巣が腫れている」という訴えの方も多いですが、精巣の横に硬いシコリが触れます。成人と小児では異なる点が多くあります。
(原因)成人:尿道や前立腺の細菌感染が精管を伝わって、精巣上体まで及んだ時に発症します。
小児:成人のように尿の感染が認められない原因不明のものも多いです。
アレルギー性紫斑病(しはんびょう)という内科疾患や、先天性疾患が原因の場合もあります。
(症状)成人:痛みと発熱を伴い急激に発症することが多いのが特徴です。
小児:痛みと腫れにより受診し、発熱は伴わない場合も多いです。
(検査)成人小児同様
検尿では膿尿を認めることもありますが、異常がない場合も多くあります。
超音波検査で、正常な精巣と腫大した精巣上体がみとめられます。精巣上体は通常血流が増加して見えます。
(治療)抗菌薬の投与を感染が完全に治るまで行います。また、陰嚢を冷却することも必要です。
(注意点)成人:陰嚢内の痛みのないシコリは精巣の癌であることがありますので、放置せず泌尿器科に受診することが必要です。
小児:精巣捻転との区別が非常に重要です。精巣捻転症は手術など緊急な対応が必要であり、
症状だけでは判断できないことも多く陰嚢の痛み、腫脹がある場合は早期の受診が必要です。