尿路結石症
尿路(腎臓から尿道)にできる結石で、腎にある場合は腎結石、尿管にある場合は尿管結石、膀胱にある場合は膀胱結石と呼びます。
腎結石では血尿を伴いますが、無症状の場合も多く、検診や人間ドックの超音波検査で見つかる場合もあります。
尿管結石の症状の特徴は、痛みが強いことと、背部痛です。背中の痛みは左右どちらかであることが特徴です。痛みは激痛であり、どんな体位でも痛みは変わらずにのたうち回るほどといわれています。尿管結石と紛らわしい病気に大動脈解離や膵臓疾患、消化管疾患など緊急を要する病気があり、正確な診断が必要です。 通常、尿管結石は発熱を伴いませんので、熱がある場合、尿路感染症を合併している可能性や、他の病気の可能性があります。
膀胱結石は高齢者や排尿障害を伴っている方に多く、頻尿・残尿感・血尿、排尿時痛など膀胱炎と似た症状を有します。
検査は尿検査、超音波検査、レントゲン検査を行い、必要があればCT検査も行います。当院にCT機器はないため、近隣病院を紹介して撮影しています。(画像と放射線レポートは後日送られてくるためクリニックで結果説明をします。)
治療
腎結石:サイズが小さい場合は通常無治療で経過観察します。10㎜を超える場合、有害事象が起こる確率があがるといわれており結石破砕を考慮します。その場合、治療可能な病院へご紹介いたします。
尿管結石:結石のサイズが8mm以下であれば自力で結石が対外に出る可能性があります。 そのため痛みをコントロールしながら経過観察します。通常痛み止めには座薬を使用しますが、内服薬や漢方薬にも効果がある場合があります。自然排石を促進するために、適度な運動と多めの水分摂取が必要です。 サイズが8㎜を超える場合は、自然排石が40%以下といわれており、結石が下降しない場合や、早めの治療を希望される場合とともに結石破砕を考慮します。その場合、治療可能な病院へ紹介いたします。
膀胱結石:通常内視鏡的手術(経尿道的膀胱結石砕石術)で結石を除去します。この場合、治療可能な病院へ紹介いたします。
前立腺肥大症や尿道狭窄など通過障害をともなっている場合は同時に手術される場合があります。